投資判断において(2)

確証バイアス(Confirmation Bias) ~投資判断において陥りがちな判断ミスとその回避の仕方(2) ~

前回(投資判断において陥りがちな判断ミスとその回避の仕方(1) ~保守性バイアス(Conservatism Bias)~をご参照ください。)に続き、投資判断において陥りがちな判断ミスについて考察します。今回も特に難しいものではなく、誰もが「ああ、そうそう。経験あります。」と納得の出来るものだと思います。
今回は確証バイアス(Confirmation Bias)についてです。確証バイアスとは、もともと社会心理学の用語で、自分の先入観に基づいて、自論に合う情報を選別し受容して、それにより自信を深め、自分の先入観が補強されてしまう現象です。投資においても同様に、一度、投資方針やマーケットに対する見方を形成すると、その後入ってくるさまざまな情報のうち、当初の見方に合うものをピックアップしてしまい、その見方をより強めてしまうことなどをいいます。
例えば、一度、ある地域において今後、マンション価格が上がることが見込まれると判断し、実際に投資をしたとします。その後、この地域についてさまざまな情報を入手することになります。それらの情報には投資をしたマンションの価格についてポジティブに作用すると思われる情報(近くに地下鉄の駅が出来ることになった、近くに新たな託児所が開設された、大きなスーパーが徒歩圏に出来た、など。)もあれば、ネガティブに捉えられる情報(向かいのコンビニが閉店してしまった、近所で世間を賑わす事件が起きてしまった、など。)もあるのが一般的です。しかし、確証バイアスに囚われてしまうと、ついつい当初形成した「このマンションの価格は上がる。」という見方を維持するために、ポジティブな情報のみを収集し、ネガティブな情報を受け入れようとしないという現象が発生します。また、ポジティブな情報を元に、「だから、このマンションの価格は上がるんだ。」と、当初の見方をさらに強めてしまいます。
その結果として、

(1) 正しい情報分析が出来なくなる
(2) ポジティブな情報に固執するあまり、売却のタイミングを逸する
(3) 一つの見方に対するポジティブな情報に固執してしまい、十分な分散投資が行われない

といった現象が発生します。
また、株式投資においては、より情報を得やすい自社株、あるいは勤め先と同じ業界の会社の株への投資において、確証バイアスにかかりやすいともいわれています。
確証バイアスを回避するためには、ネガティブな情報もしっかり受け入れることが最も有効です。しかし、それができなくなってしまうのが今回のバイアスの特徴ですので、なかなか意識的に出来るものではないと思います。
そこで、次善の策として、異なる視点で物事を見てみるのが有効といわれています。例えば、先ほどの例でいえば、ある地域において今後のマンションの価格が上がるというのが、地域別に分析をして得られた結果であれば、より大局観的に、その都市全体、あるいはその国全体の不動産価格はどうなっていくのかといったことを分析してみることで、新たな視点から投資判断を行うことが出来るかもしれません。

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