不動産投資におけるトップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチ ~木を見て森を見ずとならないために~

投資のスタイル

投資のスタイルには、大きく分けて『トップダウン・アプローチ』と『ボトムアップ・アプローチ』の二つがあります。それぞれ株式投資の場合を例にみてみましょう。

トップダウン・アプローチ

個別の投資判断をする前に、まず経済動向や人口動態などマクロ的な視点からの分析を行い、どの資産に配分するかを決定します。その後、その資産配分の枠の中で選択する業種を絞り、その業種の中で最終的に個別銘柄を絞っていく方法です。マクロ(巨視的)の視点から入って、順にミクロ(微視的)な視点に移っていくことから、この名称がつけられています。

ボトムアップ・アプローチ

トップダウン・アプローチの対となる投資運用手法で、個別の企業の業績や動向などからその企業の将来性を判断します。例えば、ある会社に対して、PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・同業他社との利益水準の比較・その会社の技術などから、将来性を判断する手法のことを指します。

 

それでは、不動産投資の場面ではどのようなアプローチが重要となるのでしょうか?

 

不動産投資の特性と重要な指標

特性:個別性が強い

投資対象の個別性が強い不動産投資では、投資の意思決定をする前に、通常個別不動産の詳細な分析が行われます。それは駅からの距離の測定、遵法性の確認、土地の権利関係の確認、近隣の賃料分析、商業施設の場合は繁華性の確認など、多岐に渡ります。
通常ボトムアップ・アプローチなくして不動産投資を行うことはありません。

重要な指標:利回り

一方で、不動産投資においては利回りが重要な指標となるため、マクロ的な視点からのトップダウン・アプローチも欠かせません。
不動産は利回りに対する見方によって大きく価格が異なってきます。利回りが高くなれば不動産価格は下落し、逆に利回りが低くなれば、不動産価格は上昇していきます。取引時の利回りは、景気循環・金利水準・物価動向などに影響されるため、どれ程優良な不動産でも価格が下落することは十分にあり得ます。大きな視野をもたずに個別不動産の詳細情報のみで投資を検討するのは「木を見て森を見ず」状態、ともいえるかもしれません。
景気循環や金利水準を考慮し、今後の見通しを立てていくことが重要です。

 

プロフェッショナルの視点 ~トップダウン・アプローチの例と投資アイディア~

ここで、不動産投資の専門家によるトップダウン・アプローチの例をのぞいてみましょう。
(例)
▽人口の増加:
 → 一般的に不動産投資に関してはプラス。
▽観光客の増加:
 → 最近注目されているポイント。ホテルへの投資を検討。
▽インフレが見込まれる場合:
 → 賃料の上昇が即時的に見込まれるようなホテルへの投資を検討。
▽景気回復が見込まれる場合:
 → 賃料の上昇が見込まれるオフィスビルや商業施設への投資を検討。
▽eコマース(オンライショップ)が発達段階にある場合:
 → 個人消費者への直接配送というルートが増加すると予測できるため、物流施設への投資を検討。

 

いかがでしたでしょうか。グローバル化の進んだ現代では世界経済の行方も追っていく必要があります。上記は投資検討材料の一つに過ぎませんので、「とりあえず東京は観光客が増えるから、ホテルを買っておこうかな。」といった大まかな考えだけでなく、様々な視点から今後の見通しを立て、そのうえで個別案件の分析もしっかりと行い、最良の案件の発掘に努めることが大切です。

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世界の不動産情報 ~シンガポールのオフィス賃貸借慣行~

日本とアメリカの中間的な賃貸借慣行の国

ちょうど先日、シンガポールのアジアン・スクエア・タワー1(Asian Square Tower 1)が2,600億円を超える金額で売買されたというニュースが不動産マーケットで話題になりましたが、シンガポールではアジア経済の中心地の一つとして世界から多くの企業が集積し、オフィスを構えています。今回はそのシンガポールにおけるオフィスの賃貸借慣行の特徴をご紹介させていただきます。

 

オフィス事情全般

そもそも、シンガポールは建国してからの歴史が浅く、ほとんどのオフィスが1960年代後半以降に開発されたものです。以前はラッフルズプレイス(Raffles Place)に多くのオフィスが集積していましたが、昨今はマリーナセンター(Marina Centre)やシェントンウェイ(Shenton Way)地区にオフィスエリアが広がっています。特に、アジアン・スクエア・タワー(Asian Square Tower)等が建築されたマリーナベイ(Marina Bay)地区は、政府が最も力を入れて開発を行っているエリアであり、最新の大型オフィスビルが多く存在しています。
なお、各エリアの特徴を簡単にまとめると以下のとおりになります。
シンガポール地図

  • ▶ Raffles Place: CBD(Central Business District)の中心で、シンガポールの大手町・丸の内。金融・証券関連企業が集積しています。
  • ▶ Marina Centre: CBD中心よりやや東側。政府が第二オフィス街として開発に注力してきたエリアで、コンベンションセンター、ホテル、商業施設を含む複合開発地区です。
  • ▶ Orchard Road: シンガポールの銀座、青山・表参道。小売店舗が集積するエリアであり、その関連オフィスが集積しています。
  • ▶ Shenton Way: Raffles Placeに隣接するオフィス街であり、八重洲・日本橋地区付近のイメージに近いです。地下鉄の駅でいうと、「Raffles Place」から「Tanjong Pagar」までの地区をいいます。
  • ▶ Marina Bay: CBDの南側エリアで、現在最も政府が力を入れて開発している地区です。

 

土地の保有形態

1963年に独立するまで英国の植民地であったシンガポールは、土地の保有形態も英国の慣習の影響を強く受けています。簡単にいうと、リースホールド(Leasehold)(期間限定の所有権のようなもので、例えば99年間、その土地を使用・収益できる権利を賃料支払いの見返りに得られます。)とフリーホールド(Freehold)(日本でいう所有権とほぼ同じ概念です。)の二つがメインの土地保有形態となっています。但し、基本的には建国時に国が土地を所有するという形でスタートしているため、マリーナベイ地区のような都心の新しいオフィスエリアでは、シンガポール政府が売却もしくは賃貸等を行わない限り、新しいオフィスを建築するスペースは基本的にはありません。政府は、土地の供給をコントロールすることで、オフィスマーケットにおける需給をコントロールしているといわれています。

 

賃貸借期間・賃料改定について

賃貸借期間は2年ないし3年が一般的で、同期間の更新が1回ついている契約もあります。賃貸借期間は日本の一般的な普通賃貸借契約の期間とほぼ同じですが、シンガポールの場合は更新期間が1回ついていたとしても、通常2回目の更新はできません。2年契約+更新1回の場合であれば、4年が最長となり、5年目には全く新しい賃貸借契約を締結するか、もしくは退去しなければなりません。シンガポールにオフィスを構える日系企業は非常に多く存在していますが、賃料が大きく乱高下することもあり、5年目に新しい賃貸借契約を締結しようとしたら、オーナーに現行契約の2倍以上の賃料を提示されたという話も普通に存在し、オフィス面積を2分の1に縮小して新規に契約したというケースもよく耳にします。更新に関してオーナー側が強いところはアメリカに似ていますね。
賃料は共益費込が一般的になっていて、中途解約は原則として認められません。アメリカの場合は中途解約ができない代わりに転貸(サブリース)が認められるケースがほとんどですが、シンガポールでは契約期間が短いために、転貸は原則禁止の契約が多いです。
フリーレント(賃料免除期間)の考えはあまり浸透していませんが、昨今は大型物件における契約でフリーレントを取り入れたものもあるようです。

 

雨の日にホテルにパスポートを忘れたら大変なことに・・・

シンガポールのオフィス慣行はあまり目新しいものはないのですが、先進国らしく、不動産慣行もマーケット動向をみて変遷していきますので、オフィスを実際に借りようとする場合には、現地の不動産業者から最新のマーケット情報を入手した方がいいと思います。

 

最後に余談になりますが、シンガポールの多くのオフィスでは、訪問する際に身分証明書の提示が求められます。海外から訪れた人はパスポートを提示することが多いかと思います。これを忘れると、オフィスに入ることは許されず、ホテルに取りに戻らざるを得ないことがありますので、シンガポールでの現地企業訪問の際には身分証明書を携行した方が無難です。
また、実際にホテルに戻らざるを得ない場合、地下鉄等を利用して戻れる場合はいいですが、シンガポールではタクシーが比較的安く利用しやすいことからタクシーで移動するビジネスマンも多いため、いつもはタクシーが街中にあふれていて、捕まえやすいのですが、スコールの時季等でいったん雨が降りだすと、街中にあふれているタクシーは「Busy」表示、つまりお客が既に乗っているものばかりになってしまい、なかなか空きタクシーを捕まえることができない場合もありますので注意が必要です。タクシーでの移動は、天候や、ドライバーがシフトチェンジする時間帯等、いくつかの要因に左右されますので、ぜひ現地の方からいろいろと情報収集してみてください。

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テクノロジーが不動産業界の民主化を進める?

1案件に100人以上が投資

渋谷区新築マンション第1号ファンドOwnersBookでは、これまで全ての案件につき満額で募集が成立してきました。その中でも2016年5月中旬に募集をした≪渋谷区新築マンション第1号ファンド第1回≫は大変ご好評いただき、118名もの投資家の皆様にご投資いただきました。

OwnersBookで 1案件100名を超える方が投資をされたのはこの案件が初。案件の募集総額は4,050万円でしたので、1人当たりの平均投資額を出すならば34万円程という計算になります。けれども実際のところは、118名の中には数万円の少額投資家もいれば、多額の金額を投資された方もいたようです。

運営の裏側

それでは、投資金額の大小で何かが変わるのでしょうか?また、少額だと肩身が狭い、といったようなことはあるのでしょうか?
OwnersBookサポート電話宛には「本当に1万円からの投資が可能なのでしょうか?」といったご質問や、「少額だと申し訳ない気がしますが…」というご心配に近いお問い合わせをいただいたことがありますが、ご心配には及びません。OwnersBookのシステムは、投資金額の大小に関わらず全く同じ手順で動いているからです。

不動産テック

ここで、1万円でも投資できる(=投資金額の大きさは関係ない)こと、システムが全く同じ手順で動いていること、について例を挙げてみましょう。
例えば100万円の募集について考えてみる場合、「100万円×1人」と「90万円×1人+5万円×2人」と「1万円×100人」は全て結果的に同じ金額が集まります。通信手段が発達していない頃は投資家を探すのも、契約書面を交わすのも、全ての過程において、関与する人数が多くなればなるほど大変、という問題がありました。自然と、「多額の資金を投資してくれる投資家を優遇する。」という風潮があったのかもしれません。
ところがIT技術の急速な発展に伴い、インターネット上でできることが飛躍的に増え、その投資に興味のある個人から投資を募ることも、契約書面をウェブ上で完結させることも容易になりました。運営サイドで一度プラットフォームを整えてシステムを構築すれば、デジタルで処理されるため、投資金額の大小も関係なくなり、1万円からでも気軽に投資できるという道が開けたのです。

テクノロジーが民主化をもたらす

このように、FinTech不動産テックと呼ばれる領域は、単に膨大なデータを取り扱うということにとどまらず、工夫次第で今まででは考えられなかったようなサービスを提供するきっかけをもたらしました。テクノロジーを適切に利用することによって従来の商慣習を変えることができるようになり、不動産投資という大金が動く投資においても少額投資家も肩身の狭い思いをせずに参加できる時代がやってきたのです。言い換えれば、テクノロジーの進化が様々なものの民主化をもたらした、ともいえるのではないでしょうか。

OwnersBookでは、1万円から不動産投資にご参加いただける機会を提供しています。私たちは、新しいスタイルの投資にご関心をお寄せくださった皆様のご期待に応えていけるよう、そして今後さらに投資家のすそ野が広がるよう、努力を続けて参ります。

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