OwnersBook1年生(22)

マネー教育 ~投資の初心者 OwnersBook1年生(22)~

『日本人は投資が嫌い』『日本では投資が罪悪のように扱われる』と言われることがあります。実際、欧米諸国との比較において、日本人の家計に占める投資の割合は少なくなっています。

家計の資産構成

[家計の資産構成(日米欧比較)]   ※日本銀行調査統計局(2015年3月23日)「資金循環の日米欧比較」より

円安株高・年金不安などの社会情勢を背景に、投資に対する関心が高まっている今日、「投資が嫌い」とか「投資をしない」とはなかなか言えないのではないかと思うのですが、一体なぜ欧米諸国との間にこのような違いが生まれてしまったのでしょうか。

 

◯ マネー教育

日本の「マネー教育」にその理由の一端を見出せそうです。投資をすることの正しい意味を教えられないまま、古い道徳観からか、漠然と大人たちから「汗をかかずにお金を稼ぐことは良くないことだ」と刷り込まれて育った子どもたちが、大人になっていざ投資をとなったときに躊躇してしまうのも無理はないのかもしれないということです。

当たり前ですが投資は悪ではありません。投資とは利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下することです。将来を見越した計画性のある資産運用が大切で、汗をかくなど利益を得る手段の是非といった視点は含まれていないようです。

 

▶ 外国では

外国の子どもたち

このことをどのように子どもたちに教えているかというと、アメリカでは「お金を稼ぐこと」と「投資をすること」を分けて考えることを出発点とし、幼稚園からハイスクールまで、発育段階に合わせたマネー教育の環境が整備されているそうです。また、イギリスでも中等教育に金融教育が義務付けられているようです。幼い頃から投資の勉強を授業の一環として取り入れることで、投資をするのが当たり前という風潮が社会全体の中でごく自然に作られます。そうなってくると、家庭内でもお金の話がタブーということはなく、子どもが小さいうちからお小遣いの使い道や、お小遣いを効率よく運用して増やす方法についての話をすることもごく普通のことになるようです。

 

▶ 日本では

日本の子どもたち

他方、日本では、小学校の家庭科の授業の一単元で家計の勉強をするといったことが行われているようですが、少なくとも授業の一環として投資の勉強を取り入れるといった早期教育が一般に行われているとは言えないと思います。つまり、日本の投資教育はアメリカやイギリスに比べ遅れていると言えるのかもしれません。

徐々にではありますが、最近では子供にお金のことをきちんと知ってもらいたいと思う親が増えているように思います。年齢が若いうちにお金、投資または寄付などについて考える機会を持つことはとても大切で、子供向け「マネー教育」の広がりが期待されるところです。

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不動産投資の基本(15)

区分所有建物(2)敷地に関して ~不動産投資の基本(15)~

前回に続き区分所有建物に関する基本的な事項についてまとめてみます。今回は、区分所有建物が建っている敷地についてです。

 

◯ 法定敷地と規約敷地

区分所有建物が建っている敷地には、以下の二種類があります。

『法定敷地』 建物が所在する土地をいい、つまり建物の下にある土地全部をいいます。

『規約敷地』 建物及び建物が所在する土地と一体的に管理、使用されている土地で、規約により敷地とされているものをいいます。
敷地に関して

 

◯ 敷地利用権

専有部分を所有し、使用するには、当然ですがその建物の敷地を利用する権利が必要となります。区分所有建物の場合は、区分所有者全員で、敷地の所有権を共有することになりますが、これを敷地利用権といいます。

なお、敷地利用権が借地権の場合もあり、その場合は、借地権を区分所有者全員で準共有(複数人で所有権以外の財産権を共有すること)することになります。

各区分所有者に属する敷地利用権の割合は、共用部分と同様に、規約で別段の定めがない限り、区分所有法第22条で「専有部分の床面積の割合による」とされております。

 

◯ 敷地利用権と敷地権

敷地利用権は、規約等で別段の定めがない限り、専有部分との分離処分が基本的には認められておりません。この敷地利用権は、登記されることによって『敷地権』と呼ばれるようになります。なお、敷地権の登記は、土地に対する権利ですが、(区分所有)建物の登記簿に記録されます。

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不動産投資の基本(14)

区分所有建物(1)専有部分と共用部分 ~不動産投資の基本(14)~

区分所有建物の代表的なものといえば分譲マンションですが、今回はその区分所有建物に関する基本的な事項についてまとめてみました。

 

◯ 建物の区分所有等に関する法律

『建物の区分所有等に関する法律』は、一般的には『区分所有法』と呼ばれることが多いと思いますので、以下『区分所有法』といいます。昭和38年4月に施行され、昭和58年と平成14年に大きな改正が行われて現在に至っております。マンションのように、一棟の建物を区分して、多くの人々が居住する建物では、共同生活をしていく上で様々な問題が発生します。その問題点に対処するために区分所有法は制定されました。多くの論点を含んでおりますが、ここでは、基本的な概念の説明をします。

 

◯ 区分所有建物とは?

そもそも論ですが、区分所有建物とは、二人以上の区分所有者が存する建物をいいます。前述のとおり分譲マンションもその一つですが、オフィスビルでも、各階毎に所有者が異なる場合等は、区分所有建物に該当します。以下、本稿では、マンションを前提に話を進めていきます。

 

◯ 専有部分と共用部分

マンションでは、区分所有権の目的となる『専有部分』と、区分所有権の目的とならない『共用部分』に大きく区別されます。マンションの各部分は、必ずこのどちらかに属することになります。

『専有部分』は、区分所有法第2条で、構造上の独立性利用上の独立性を備えたものとされております。簡単にいうと、壁や扉、床、天井で他の部分と遮断されており、外部(廊下等)に直接出入りができれば、それは専有部分となります。一般的には、マンションの各住戸が、代表的な専有部分ということができます。

一方、『共用部分』は、区分所有者が全員又は一部の者で利用する部分となり、専有部分以外の部分をいいます。廊下やエントランス等が代表的な共用部分です。

 

◯ 法定共用部分と規約共用部分

共用部分は以下の二つに分類することができます。

『法定共用部分』法律上当然に共用部分となるもの
『規約共用部分』区分所有者が定めた規約により共用部分となるもの

法定共用部分は、廊下や階段等の専有部分以外の建物の部分のほか、給排水管や電気配線、エレベーター設備等の建物の附属物が該当します。これに対し、規約共用部分は、管理規約等で別途定めた部分を指し、区分所有者以外の第三者に対抗するためには、登記することが必要です。
専有部分と共用部分のイメージは、下図のようになります。
マンションの区分所有

 

◯ べランダや専用庭は専有部分?

ベランダ(バルコニー)は、そこに住む住民しか使用できないので専有部分だと思われる方もいますが、ここは共用部分であり、『専用使用権』(独占的に利用できる権利)が住民に付与されていることとなります。ベランダや専用庭は、火災等の災害時に脱出ルートや消火・救出用の場所として使用されることを前提としていることが通常であるため、災害時等を想定して法律上は共用部分扱いとなっております。

 

次回は、区分所有建物の敷地(土地)についてまとめてみます。

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